雨と夢のあとに

2005年6月30日 読書
ISBN:4048735950 単行本 柳 美里 角川書店 2005/04/08 ¥1,470
蝶の撮影旅行に出かけたきり、2週間も音信不通だった父(ともはる)が帰ってきた。ひとりで留守番をしていた12歳の少女(あめ)は喜ぶ。しかし、帰国した父は、いつもと様子が違っていた。少女の身に降りかかった、甘美で残酷な“孤独”の日々。柳美里初の怪談。

テレビ朝日系連続テレビドラマ原作。
偶然にも第一回を見て、おもしろそうだったので、本屋に行ってみた。
私は、TVをみるのが面倒だと思うタイプで映画を見るより、本がいい。
連続なんてとんでもないと思った。

まだ出版していないのか、それとも売り切れだったのかわからないが、
TVの放映第三回目くらいで、ようやく本をみつけることができた。
読んでみると、本とドラマでは、ちょっと違う。
仕方ない…。TVも見なければと思い、最終回まで見た。

”あめ”の母親(最初は、亡くなったと聞かされていた)は
あめを自分のもとに引き寄せようといて、
学校の前で待ち伏せしたり、執拗に追いかけたりするのだが
あめは、父親とのくらしを選んでいる。

TVの場合、映像がともなうので、
特に強く思うのかもしれないが、
最終回で、母親の家から抜け出した あめが、
幼馴染(ほくと)の単車の後部座席にまたがり
急いで父親の待つ遊園地に向かうのだが、
その二人を強引に車で追跡するシーンを見て
「本当に母親なのか?」と思ってしまう。

幼い頃聞いた、大岡越前の裁きで、どちらが本当の母親かを
見分けるために、子どもの手を引っ張らせる。
最初は自分の方に引き寄せようと、二人の母親は手を引っ張るが、
本当の母親は、痛がるわが子の手を離す。
という話を思い出す。
あんなに強引に車で単車を追い回して、
事故などおきやしないか?
あせって、単車がこけてしまわないか?

あめは母親の前から完全に姿を消す事はない。隠れない。
普通に学校へ行き、家を引っ越すこともない。
あめの幼馴染ほくとの両親と、あめ・あめの父親は常に接触しているのだから、
彼らに連絡すれば、必ずあめに会える。
なのに、何故だろうか?

この母親の行動、おかしいわ!危ないわ!
あめが、事故するわ。


と、あめの身内でも友人でもない私がうるさく叫ぶので、
きっとみんな、私とTVを見るのは金輪際お断りなんだろ。

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